MA×EFO連携でCVRを改善する方法|中小企業でも実践できるフォーム最適化を解説

「データがうまく活用できない」
「リードデータの品質が低い」
「送信フォームから送られてくるデータに入力ミスや漏れがある」
MA(マーケティングオートメーション)ツールを使ってマーケティング活動を効率化しているはずなのに、こうした悩みを抱える担当者は少なくありません。
その悩みの多くはフォームの入力段階に潜んでいます。
特に中小企業のマーケティング担当者は、せっかくMAを使っているのに、リードデータの収集段階から
「送られてくるデータが少ない」
「誤った内容が送信されるためデータとして活用できない」
という課題を抱えることも。
MAは内部に顧客データが蓄積されますが、入力フォームが最適化されていないと、どれほど高性能なMAを使っていても成果は十分に引き出せません。
Baymard Instituteなどのユーザー体験研究でも、入力項目の多さやエラー体験が離脱の大きな要因となることが示されています。
そこで本記事では、中小企業・小規模事業者も取り組めるMA×EFO(入力フォーム最適化)でCVRを向上させる方法を解説します。
明日から試せるチェックポイントや、MA・EFO設定の考え方をまとめていますので、まずはデータの入り口を整え、活用できるリードデータを安定的に獲得していきましょう。
出典:Baymard Institute【Checkout Optimization: 5 Ways to Minimize Form Fields in Checkout】
MA運用で成果が出ない“本当の原因”は入力フォームにあり!

MAを運用してマーケティング活動を効率化しているにもかかわらず成果が出ない原因は、入力フォームにあることが多いです。
入力に時間がかかる、送信までの工程が長い、など理由はさまざまですが、その中でも大きな原因は下記の3つに分類される傾向があります。
離脱率が高いとMAは機能してくれない
そもそも論になりますが、入力フォームから離脱する人が多いとMAが機能しません。
MarketingProfsEFOの調査によると、たとえばECサイトの「購入」というCVRは、入力フィールドの無駄をなくすことや住所等の入力補助をすることによっておよそ35%の改善が見込めることもあると記載があります。
入力フォームへの入力行動が面倒くさい、送信ボタンまでの工程が長い、といった事態はユーザー体験の質を下げ離脱につながるため、EFOで入力フォームを最適化するべきだといえるでしょう。
出典:MarketingPosts【Supercharge Your Online Form Conversions With Address Autocomplete】
入力ミス・表記揺れが関心の強い見込み顧客を逃すかも?
入力内容にミスがある、あるいは同一データなのに表記が違っているため複数データになるといったことは、MAのスコアリングの精度を下げてしまい正しいリードデータの抽出ができなくなる事態を引き起こすことも。
それに伴い、リードデータの中からより関心が強い人を見逃しがちです。
見込みの高い顧客をうまく見つけられず、逆に見込みの低い顧客へムダなアプローチが増えてしまいます。
入力内容にミスがあった場合はリアルタイムで知らせたり、表記揺れが起きやすいフィールドはプルダウンメニューにしておいたりすると防げるエラーですので、EFOで整ったデータを送れるようにすることが大切といえるでしょう。
参考:【Pardot】EFOでフォームのCVRとスコア精度をアップさせる方法
マーケティング担当者と営業担当者で人物を共有できない可能性も
MA内のデータからより自社事業について関心が高いリードを抽出できなくなると、アプローチの無駄打ちが増えると先述しました。
これをより詳しく解説します。
1人のデータであるにもかかわらず表記揺れのせいで複数データとしてリードが扱われると、マーケティング担当者と営業担当者で同一人物の別データを参照する可能性が。
すると、マーケティング担当者側では「まだ未アプローチ」としているリードでも、営業担当者はそのリードの別データを見ているため「アプローチ済み」として処理してしまい、リードの扱いが全く違うものとなってしまうのが課題です。
データ不一致で起こるのはマーケティング担当者と営業担当者の「すれ違い」であり、すれ違いが起きるとせっかく入力フォームから送信されてきたデータそのものが無駄になってしまうことが課題と言えます。
下記をチェックするだけでもデータ精度はぐっと高くなるため、データは適切に処理したいところです。
- 重複したデータをひとつにする
- SFA・CRMとMAのどちらを基準にするか決める
- 営業担当者・マーケティング担当者の双方がリードデータの更新を可能にし、更新理由を追跡できる運用をする
EFOがCVR改善に効くわけ
この章では、EFOがCVR改善に効果的であることを、根拠に基づいて解説していきます。
国内外のさまざまな記事で示された数値データを読み、EFOがどのようにCVRを改善するかを見ていきましょう。
EFOとして半角/全角切替機能導入でCVRが0.4ptアップ!
フォームを入力する際、電話番号や郵便番号など数字を入力する項目では、テンキー(数字キーボード)に切り替わる設計があります。
これは、入力項目のタイプ(例:電話番号・数値など)を適切に指定することで、デバイスが最適なキーボードへ自動的に切り替える仕様によるものです。
しかし、日本語入力は基本的に全角入力モードであるため本来テンキーが表示されるべき項目でも全角入力キーボードのままであることが、MAで作成されたフォームやMAと連携している外部フォームで見受けられるケースがあります。
このようなフォームは、リズムよく入力してきている中でキーボード切り替えの作業の手間が発生してしまうため、ユーザーがストレスを感じることも。
入力項目の内容に応じてキーボードの種類や半角/全角入力を適切にコントロールすることは、ユーザーの「キーボードの切り替え作業をしなければならない」というストレスを軽減し途中離脱を防ぐうえで重要なポイントです。
実際、日本国内のEFO成功事例をまとめた記事では、半角・全角の自動補正や入力形式の最適化を行った結果、CVRが約0.4ポイント改善したケースが報告されています。
出典:Enas.com【EFO事例9選!離脱率やCVR改善を実現した成功事例を公開】
入力項目削減は離脱率を下げる“ユーザー体験良好化”の基本対策
入力項目は必要最低限まで削りましょう。
多すぎる入力項目はユーザーの心理的な障壁を生み、「入力に手間がかかって面倒」というイメージを与えかねません。
- 名前
- 会社名
- 部署
- 住所
- メールアドレス
最低限、これらを取得できればその他の情報はインターネット上にある場合も。
入力しやすさを優先的に考えて、使い勝手を高めることが重要です。
住所自動入力(オートコンプリート)が入力時間を30%削減
住所を入力してもらう際、都道府県から番地・建物名・部屋番号まで完璧な形で記入がある場合は、そのままリードデータとして使えますし、フォーム絡みのCVRが上がることは間違いないでしょう。
しかし、都道府県が省略されていたり建物名がなかったりすると、詳しく書いてある同一住所のデータとそうではないデータが重複し、名寄せやデータクレンジングで整理する必要が出てきます。
【例】
都道府県が書いてある例:東京都品川区〇〇町△△1番4号 ××ビル301
都道府県などが書いていない例:品川区〇〇町△△1-4-301
さらに、1文字1文字手入力で住所を入力している時間が惜しいユーザーは、入力に時間がかかるとわかった時点で離脱してしまうでしょう。
対策として、郵便番号を入力するなどしたときに住所が自動で入るオートコンプリート機能を入力フォームに搭載することが挙げられます。
オートコンプリートを用いることでフォーム入力時間を最大で約30%削減できるという調査結果も。
CVR向上のためには、入力の手間をなくすことが重要といえます。
出典:MarketingPosts【Supercharge Your Online Form Conversions With Address Autocomplete】
中小企業でも再現できるフォーム改善対策方法は?
大規模企業でなくても再現できるフォーム改善手順を、3つの項目で解説します。
どれかひとつでも実践すると効果が期待できるので、少しずつフォーム改善をするにあたって重要なことをピックアップしました。
項目の減少と並び順の変更
フォーム改善の第一歩は、入力項目を減らすことです。
ユーザー体験調査を行っているBaymard Instituteによると、購入フォームにおける平均入力項目数は11.3項目ですが、適切に最適化されたフォームでは7〜8項目程度におさえられていると報告されています。
入力項目が多いほど、ユーザーの心理的・時間的負担が増え、途中離脱につながりやすくなるのです。
また、項目数を減らすだけでなく、入力順序の整理も重要なポイント。
氏名やメールアドレスなど気持ちの上でのハードルが低い項目を先に置いておき、会社名や電話番号といった長い入力が必要な情報は後半に回すことで、入力完了率が高まりやすくなります。
中小企業の場合、最初から多くの情報を取得しようとせず、MA側での追跡やリード育成を前提にして最低限の項目に絞ることが、結果的にCVR向上とデータ活用の両立につながることも。
入力項目を最適化しておくことで、MAに流入するリードデータの質が安定し、スコアリングやデータ分類といった後工程も正しく機能しやすくなるのが特徴です。
出典:Baymard Institute【Checkout Optimization: 5 Ways to Minimize Form Fields in Checkout】
リアルタイムバリデーション
入力エラーによる離脱は、ユーザーに強いストレスを与えます。
とくに「送信後にまとめてエラーが出る」設計だと、どこが誤りなのか分かりにくい、最初からやり直しになるかもしれないという不安が募り、離脱を招きがち。
そこで有効なのが、入力のミスや漏れをそのときに知らせてくれる機能であるリアルタイムバリデーションです。
入力中に形式ミスや未入力を即時に知らせれば、その場で修正できるためユーザー体験が途切れません。
結果として完了までのストレスが減ります。
BtoB向けフォームでは、メールアドレス・電話番号・会社名の誤入力がそのままMAに入ると、後工程のスコアリングや名寄せに悪影響が出ます。
リアルタイムのエラー表示は、CVR改善だけでなくデータ品質の向上という観点でも重要な打ち手と言えるでしょう。
ステップフォームの導入

入力項目が多いフォームでは、「まだこんなに入力があるのか」と感じた瞬間に離脱が起きがちです。
この気持ちの上での負担を下げる有効な手立てがステップフォームです。
ステップフォームとは、入力項目を複数のページや段階に分け、現在の入力段階を視覚的に示す設計のこと。
ゴールまでの距離を把握でき、完了までのモチベーションを保ちやすくなります。
とくにBtoBの資料請求や問い合わせでは、一括入力よりも小さなステップの積み上げのほうがよりフォームを送信してもらえる傾向があります。
中小企業でもEFOツールを活用すれば、大規模開発なしでステップフォーム化が可能に。
再現性の高い改善施策として取り入れやすい点もメリットです。
フォーム完了率が高まることで、MAに蓄積されるリード数も安定し、継続的な顧客育成や施策の検証を行いやすい環境が整います。
EFOツール導入に迷ったときのチェックリスト
MAにEFOツールの導入が必要かどうか判断するために、8つのチェック項目を挙げました。
どれかひとつでも当てはまる項目があれば、EFO実施やMAツールへの連携をするとCVRの改善が見込める可能性があります。
ご自身が担当されている事業のリード獲得状況を鑑みて、チェック項目をひとつひとつ確認してみてください。
□ フォームCVRが業界の平均を下回っている
フォームからのCVRが平均を下回っているならフォームに原因があるとにらんでよいでしょう。
こういったケースはEFOツールとMAツールを連携し、質の良いデータからリードを獲得して営業活動につなげることが最優先といえます。
□ リードデータに重複・表記揺れが多い
名寄せやデータクレンジングにかかるコストや時間を考えると、リードデータに重複・表記揺れが多いときはEFOツールを連携させるのが手です。
□ MAの評価(スコア)が信用できない状態になっている
ありえないスコアを出してしまう・スコアと実際の結果があまりにもかけ離れている、といった場合もEFO連携が必要でしょう。
□ 広告やコンテンツで流入はあるのに、問い合わせ・資料請求が増えない
アクセス数は伸びているにもかかわらず、フォーム送信数が比例して増えていない場合、フォームのユーザー体験がボトルネックになっている可能性があります。
□ スマートフォンからのフォーム離脱が多い
BtoBでもスマートフォン経由の流入は増えています。
モバイルで入力しづらいフォームは、PCでは問題なくてもスマホで離脱を生む原因になります。
□ フォーム入力ミスによる確認・修正作業が多発している
メールアドレスの誤入力や電話番号の欠落など、名寄せ・データクレンジング以外のところでも人の手での確認・修正が必要になっている場合は、EFOによる入力補助・エラー防止が有効です。
□ 営業担当者から「リードの質がわからない」「関心の温度感が合わない」と言われている
マーケティング担当者が「関心が高い」と判断したリードが、営業現場ではそう見えない場合、データの入口段階で情報が欠けている、または分断されている可能性があります。
□ MA施策の改善PDCAが回らず、効果の検証があいまいになっている
リード数が安定せず、メルマガ・スコアリング施策などの成果が測りにくい場合、フォームの段階で改善する余地を疑ったほうがよいでしょう。
中小企業でも導入しやすいEFOツールの選び方
事業規模が大きくなくても導入しやすいEFOツールの選び方を整理しました。
まずは次の3点を前提条件に据えて選定するとよいでしょう。
タグ設置などで簡単に導入できるか
中小企業にとってEFO導入のハードルになりやすいのが、初期設定や開発にかかる時間やコストです。
フォーム改善の必要性は理解していても、
「エンジニアがいない」
「制作会社に依頼する余裕がない」
といった理由で施策が後回しになるケースは少なくありません。
その点、タグ設置だけで導入できるEFOツールなら、大規模な開発を伴わずに改善を開始できます。
もともとのフォームを大きく作り替える必要がなく、現行運用を維持したままEFO施策を回せるため、現場の負担を最小限に抑えられるのもメリットです。
とくに兼務が多いマーケティング担当者にとっては、「すぐ試せて、すぐ改善に着手できる」こと自体が大きな価値になります。
MA連携できるか(HubSpot/SATORI/Marketing Cloud Account Engagement)
EFOは単体でCVRを改善する施策ですが、真価を発揮するのはMAと連携させて運用したときです。
フォームで取得したデータが、MAに正しく・きれいな状態で連携されてこそ、スコアリングやナーチャリング施策が機能します。
たとえば HubSpot や SATORI、Pardot(現:Marketing Cloud Account Engagement)といった主要MAを利用している場合、EFO側で入力ミスや表記揺れをおさえられれば、リードデータの品質が安定し、MA上での評価や抽出精度も向上。
MAとEFOが分断された状態では、「CVは増えたが、その後の活用がうまくいかない」という事態になりがちです。
そのため、自社が利用しているMAと無理なく連携できるかどうかは、EFOツールを選ぶ際のの重要な判断基準になります。
しっかりしたサポート体制があるか
EFOは導入して終わりではなく、運用しながら改善を重ねる施策です。
設定方法や改善ポイントを相談できるサポート体制の有無は、成果を左右します。
中小企業ではEFOやMAに詳しい専任者がいないことも多く、
「この設定で合っているのか」
「どこから改善すべきか分からない」
といった場面が生じがち。
そんなとき、専門的な視点でサポートしてくれるかどうかは非常に重要です。
ツールの機能が豊富でも、使いこなせなければ意味がありません。
機能の多さよりも“相談しながら進められる安心感”が、EFO施策を継続させるポイントになります。
まとめ:データの入り口を整えてリードデータの品質を高めよう
MAツールを導入しても思うように成果が出ない場合、その原因はツールそのものではなく、リードデータの入口である入力フォームにあるケースが少なくありません。
- 入力項目過多
- 入力ミスの頻発
- スマホ表示で使いづらい
こうした小さな使いにくさの積み重ねが、CVR低下やデータ品質の悪化につながります。
本記事で紹介したように、EFO(入力フォーム最適化)は、入力項目の整理、エラー防止、ステップフォーム化といった施策を通じて、CVRの改善とMAに流入するデータ品質の向上を同時に実現できることです。
特に中小企業では、限られたリソースの中でMAを活用していくためにも、まずはフォームという「データの入口」を整えることが重要になります。
また、EFOは単体で完結する施策ではなく、MAと連携させることで効果を最大化できます。
正確で安定したリードデータが蓄積されてこそ、スコアリングや顧客育成、営業担当との連携といったMA本来の機能が活きてくるからです。
そのような背景から、中小企業でも導入・運用しやすい形で設計されたEFOツールの一つとして、DAWNEFOがあります。
ツールありきで判断するのではなく、まずは自社のフォームやデータ取得の課題を整理したうえで、
「どこを、どのように改善すべきか」を考えることが、MA×EFOを成功させる第一歩といえるでしょう。
